2011年11月20日日曜日

MicroVert for 160m

▼以前から注目していた1.9Mhz用 MicroVert アンテナを試してみました。当局のようなBFな環境でもびっくりするほど良い結果でしたのでご報告します。写真のような設置場所、全体像です。3Fベランダのてすりに斜めに取り付けて、先端から取り付け位置までの全長は約2.6mです。これならば隣近所から文句もでないでしょう。
▼こんな小さなアンテナで、1.9MのSWRは1.5。同じ場所にある外部アンテナチュー ナー+10m程度のワイアーよりも送受とも良好です。 聞こえなかった局も聞こえます。呼んでも取ってもらえなかった局ともできました。当局にとってはこれだけでも驚異的です。MVはノイズに弱いという評もありますが、当局の場合は前述のアンテナで悩まされたノイズも激減です。
▼MVでいい結果を出している各局のサイトを拝見すると、だいたい上空が空いているFBな環境の方ばかり。当局のように上が塞がっていて、ベランダか らの張り出しにも困るような事例はほとんどなし。ましてやカウンターポイズ同軸を30mも引き回し、おまけにそこにも電波が乗るとあっては、製作開始に躊躇せざるを得ませんでした。
▼製作に踏み切ったきっかけは、いくつかのサイトにあった「同軸は無造作に置いただけ」「160mの推奨は約4mだが 2.7mでもOK」「同軸に乗る電波はわずか」などの記述でした。一般的な構造、寸法などはこちらこちらのサイトなどが参考になります。
▼当局の場合、全体構成は写真のように、コイル部がVP25(外形30φ)1m、16φのアルミパイプ1mをこれに挿入。さらに8φの細いアルミパイプ1mを写真のようにホー スバンドでつなぎました。
▼もっと太いアルミパイプの方が性能が良く、コイルの巻き数も減らせるようですが、重量軽減と見た目の威圧感を減らすため、できるだけ細くしました。また最上部のパイプはこれによりスラ イド調整可能となっています。
▼これで全長3m弱ですが、てすり取り付け位置はコイル部のすぐ後ろですので、ベランダ外部にはみ出す部分は2.6m程度。コイル部とベランダ手すりを離し、カウンターポイズ同軸はまっすぐ伸ばす方が性能がいいのはわかっているのですが、ベランダ族としては背に腹は代えられず、これで試すしかありません。
▼またコイルには銅線の方がいいのですが、重さなどの点で、どこにでも売っている園芸用の1.2φアルミとしました。密巻にするため、茶色や黒の塗装があるものです。アルミパイプを細くしたので、通常は300回程度の巻数を、さらに増やして400回としました。
▼ところが部屋の中で同調周波数を図ってみるとまだ高い。しょうがないので巻数を増やしましたが、後でタッピング調整が出来るようにエナメル線で150回ほど追加としましたが、これが大正解。
▼ エナメル線はアルミ線と同じ太さにしたかったのですが、ホームセンターなどで売っているものには0.6φしかなく、手持ちのものも0.55φだったので両 方をつないで、全長12mの線をすべて巻き付けました。巻き数はめんどうなので数えていません。コイルには養生テープをとりあえず巻き、300ターンのと ころには印をつけました。
▼実際の設置場所であらためて同調周波数を計ってみると、今度はずっと低い。こんなに差があるとは思いませんでした。このときタップが大変便利。MVはカウ ンターポイズ同軸ケーブルの這わせ方などでSWRも周波数も変わりますから、このときもタップは必須。ベランダですからコイルに手も届きます。アルミパイ プの長さ調整はアンテナをいちいちはずさないといけないので、結局一回もしませんでした。
▼サイト情報ではカウンターポイズ用同軸の長さは、30m、32m、33mなど複数でしたので35mで購入。部屋の中でのテストなどを経て、とりあえず33mで切断。その後の調整でもこの長さに手をつける必要がなかったのでそのままとしてあります。
▼同軸はベランダを這わすのがめんどうなので、とりあえずはすべて巻いたままで調整しました。するとコイルタップの中ほどで、1.9Mhzに同調、SWRは3弱でした。この状態で運用してみると受信は前述のアンテナよりはるかに良好でしたが、どうも弱い局には取ってもらえない感じ。
▼手ごたえを感じつつ、次に同軸を15mほどベランダの床に這わせてみました。すると周波数がタップ範囲では収まらず、アルミ線側(巻数が少ない方向)の様子。コイルをほどいて作り直すのもめんどうなので、今度は同軸を空中に這わせてみました。

▼写真のようにベランダの洗濯用金具に往復で沿わせただけです。残りは巻いたまま。ベランダの全長が10mぐらいしかありませんから、往復で20m。10m以上も余ってしまいます。この状態で測定すると、ちょうどアルミ線と銅線をつないだあたりで1.9Mに同調。SWRは今度は1.5となりました。
▼そんなわけでこの状態のまま運用していますが、ひょっとす ると床を這わせた方が、コイルの巻き数が少なくてすむようですので、性能もアップするのかもしれません。いずれ試してみたいところです。
▼RFチョークは念のためFT243#43を2個、1.5Dを24回巻いてありますが、そんなに必要ないかもしれません。ちょっとケースが小さすぎましたね。ちなみにカウンターポイズ同軸は33m、RFチョーク以降の同軸が部屋の中の引き込みや引き回しも含めて30mありますから、合計シャックまで60m超 と、なんだか豪邸にお住まいの方のアンテナファームからの給電みたいですね。
▼ベランダに設置してもFBな結果となったMVはご推奨!です。調整もブロードで、また調整と結果が素直に同調するので助かります。小型・短縮・新型アンテナにありがちな、何をやっているのかわからなくなった、いろいろな測定器が必要、などもないので安心です。唯一、同軸の引き回し方の影響が確立していないようですが、これもどうにかなるでしょう。またアンテナの構造がシンプルで、どこにでもあるような材料ばかりですから、再現性も良好みたいですね。

2 件のコメント:

  1. これまで迷ってきましたが、背中を押された心持ちがします。ありがとうございます。

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    1. JG1NMB さん、
      ぜひ試してみてください。FB DX!
      de jh1qkg

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